暖かな日差し



 「春だなぁ」

 桜の木下に腰を下ろし、上を見上げる。
 頭の上では桜の花が見事なピンク色を咲かせていた。
 そういえば、桜って白もあるんだっけか?
 前に誰かが言っていたような気がする。
 
 「まぁ、俺はピンクの方が好きだけどね」

 白い花は冬を連想させる。
 真っ白な雪が空から降ってくるところ。
 ひらひらと落ちてくる花びらを手に取り眺める。
 やっぱり、ピンクの方がいいや。頷いて花びらから手を離すと
 風に乗って飛んでいく。それは地面の上へ。たくさん集まれば
 花びらの絨毯のできあがり。

 「目が覚めたら一面ピンク色、なんてもの悪くないな」

 スラカはごろりと横になる。隣で寝ているメイトを枕にして。
 1人でさっさと先に寝たんだ。枕にされても文句は言えない。
 毛皮がふかふかして、気持ちがいい。そろそろ生え変わりの時期。
 もう少ししたら、さっぱりとした夏毛に変わるだろう。

 「おやすみ、キルカ」

 身体をぽふぽふと叩いて目を閉じた。
 

 1人と1匹
 今日も陽だまりの中でお昼寝中。
 

 
 桜の木下でお昼寝、やってみたいです。