お金


 「全く、少しは他の事に興味が持てないのか?」

 任務終了後、報酬を貰いほくほく顔でギルドがら出てきた
 マキシミンに、誰かが声をかけた。姿を見なくてもわかる。
 長く長い髪を持つ、それ故に真紅の死神と呼ばれている男。

 「なにか言ったか、シベリン」

 マキシミンが、この世で一番嫌いだと思われる人物。
 理由は、第一印象が気に入らなかった、これだけ。
 最近では、マキシミンの相棒であるイスピンにも
 ちょっかいをかけている。それがまた気に入らない。

 「少しは金以外の事に興味が持てないのか、と言ったんだ」

 あぁ、もう一つ追加。

 「他の事、の間違いじゃないか?」
 「揚げ足を取るな」

 いちいち俺のやることに首を突っ込んでくる所も気に入らない。

 「俺の勝手だ、お前にどうこう言われる筋合いはないね」
 
 ここにイスピンがいたら、真っ先にたしなめるであろう。
 しかし、止め手がいない今、口論は悪化していく一方である。
  
 「…イスピンも大変だな、こんな奴がパートナーだなんて」
 「なんだと?」

 首を突っ込んでくるだけならまだいい、だか自分の相棒のことにまで
 とやかく言われるなんて…。

 「お前とは、ほんとに気があわないな」
 「あぁ、俺もそう思うよ」

 一睨みして、俺はその場を去った。あのままだと確実に手が出る。
 俺は別に構わない。シベリンの方も、俺が手を出せばやり返してくる
 だけだろう。負けるつもりはない。しかし、それを知ったイスピンの
 反応が怖いだけだ。

 「…俺も、弱くなったな」

 戦闘能力じゃなくて、意識的に。

 「でもま、これであいつに怒られることはないか」

 そこまでは、ね。喧嘩をしたと知られれば、やっぱり怒られるのは
 こちら側なのだから。

 「損な性分だよなぁ、俺も」
 
 しばらくイスピンから逃げるか。
 そう思いながら、ナルビクの街を歩く。

 
 髪を揺らす風が、とても気持ちよかった。




 わっからん。この2人はわからん(何が)
 シベとマキシって、書きやすそうかなぁ、と思ったんですが
 喧嘩ばかりしてる2人なので、どうにか回避させるので精一杯
 でした。出てるのはマキシとシベなんでですが、やっぱり
 マキシはピンに弱いと。これが言いたかったのです。
 しつけがちゃんと行き届いてますよね、ピンも(ぇえ)