フルーツバスケット  
 
 
 「赤に黄色に茶色。これは…オレンジかな?」
 「ニモカ、何やってんだ?」

 秋の森。木々が色づき、森は夏の水々しさから
 華やかさへと変化する。 
 
 「色数えてるの!」

 元気よく答えたエルフの少女。名をニモカという。
 
 「なるほど、たくさん色があるものなぁ」

 言って上を見上げた少年。名をスラカ。
 見た目は人間だが、実は半分エルフの血を持っている
 ハーフエルフである。そして、ニモカの腹違いの兄。

 「あのねあのね、フルーツバスケットなの!」
 「は?」

 これまた元気のいい発言。しかし、スラカは唖然。
 フルーツバスケットって、果物じゃなかったっけ?

 「色がたくさんあるでしょ?」 

 だから、フルーツバスケットなの。果物じゃないけど。
 
 「あぁ、なるほど」
 
 色がたくさんあれば、果物じゃなくてもフルーツバスケットか。
 確かにそうかもしれない。元々フルーツバスケットとは
 大勢でやるゲーム。昔は果物ごとにまとめていたようだが
 ピアスを開けている人とか、ジーンズをはいている人とか
 今では、大体なんでもいいという物になっている。
 それと同じだと、ニモカは言いたいのだろう。

 「いろんな色が集まってるから、フルーツバスケットか」
 
 ニモカらしいと言えば、ニモカらしいかもしれない。
 

 秋、森の仲間が作るフルーツバスケット。
 あなたも覗いてみませんか?



 
 考えてみたら、ミックスマスターが一つもなかったなということに
 気づきました。ってことで、あわてて作成。一つの言葉って、色んな
 捕らえ方ができるんだよ?精神にのっとって。プラス、ニモちゃんワールド
 にのっとって。彼女の言葉の捕らえ方ってこんな感じです。
 って、私がやらせてるんだけどさ(笑)