実りの季節  *この話は『紅葉』の続きとなっています。
 
 「ただいま…って、あれ?」
 
 ニモカを連れ、宗秦たちの所に戻ると誰もいない。
 しかしシートと荷物はそのまま。

 「どこいったんだ、あの2人は」
 
 宗秦たちは、確かにここにいたのだ。
 荷物を見る限り、先にお昼を食べたわけでは
 ないようだし。では、何か見つけたのであろうか。
 おそらく、空腹で腹をかかえていたに違いない2人。
 その空腹を無視してこの場を離れるとは思えない。
 あんな者を誘拐する変わり者もいないだろうし…。

 「つか、いたら物好きにも程があるわな」

 酷いことを言っているが、事実なのだからしかたがないだろう。
 現に、ニモカも隣でしきりに頷いている。誘拐ではないとすると。

 「自分で動いたんだろうね、あの2人」

 何か2人の興味を引くものがあった。それも、空腹を忘れるほどに。

 「それが自然だわな」
 「森の中行ってみようか」
 「だね」
 
 なんか嫌な予感するけど。予感は小さなもの。
 しかし、時としてその予感は当たるのだ。当たるなと
 祈る予感ほど当たるものである。



 「お前らもかぁぁぁぁ!」

 このあと、森からスラカの怒鳴り声が聞こえてくる。
 原因は、秋の味覚であるあれ。季節というのは
 どこにいっても同じものを実らせてくれるのだ。

 
 ・・・あとがき・・・
 宗 いやぁ、大量だよねぇ。
 春 今夜はご馳走ね〜。
 
 このメンバーだと、一番苦労するのはスラでしょうね(笑)