紅葉

 「わぁ、みてみてスラ君!真っ赤ー」

  季節は秋。秋といえば食欲や読書と人によってさまざまだが。

 「あんまり走るとこけるわよ」

 ここは紅葉の秋らしい。

 「しっかし、なんであんなに元気なのかしら」
 「春夜、そのセリフ年寄りみたいだから…」

 紅葉と言えば山の中。普段、モンスターはびこるフィールドでも
 一歩わき道にそれればそう見かけないもの。たとえいてもこちらが
 手を出さなければ、向こう側から攻撃を仕掛けてくることはないのである。
 
 「ねえスラカ、そろそろ休まない?」

 もう歩けない、と座り込む春夜。傍には宗秦が転がっている。
 さっきの発言で殴られたな、哀れな奴…。

 「んー、そうだね。そろそろやすもっか」

 ニモカ呼んでくる。春夜たちに荷物を頼み、スラカは妹を呼びにいった。
 確か、少し先を進んでいたはずだ。ニモカは自然の中にいる時が一番
 元気がいい。

 「エルフだもんなぁ」

 石畳や舗装された道より、歩きづらくても自然が作った道のほうが
 身体にあうのかもしれない。さて、あの自然娘はどこにいったのだろうか。
 
 「木登りでもしてたりしてな」

 さすがにスカートではやらないだろうと思いつつ、あいつならやりかねない
 と妹が聞いていたら怒りそうなことを思うスラカであった。


 
 …あとがき…
 ニモ ほらスラくん、マツタケー。
 スラ どこからとってきた?それ。
 ニモ あのフェンスの向こう。
 スラ おま…!それ、人の土地だから。
     返してきなさい!
 ニモ えー、折角取ってきたのに…。
 スラ 人の取ったら泥棒なの!返してきなさいっ。
 ニモ はーい…。
 スラ …帰りにマツタケ買って帰るか。
 ニモ うんっ!
 
  スラ 今月あといくらかな…とほほ。