01.

  
  「テスさん、タイさん、お久しぶりです」

 昼下がりのマジリタ。街とと北部を隔てる
 境界線。

 「あれ、スラカさん。お久しぶりです〜」
 「立派になりましたねぇ」
  「その節はお世話になりました」
   
 ぺこりと頭をさげるスラカに、2人の門番は揃って首を
 横に振った。

 「最近調子はどうです?」
 「順調ですよ。この間は、新しい仲間もできたし」

 そういう少年の足元には小さなトラがいる。
 キルカって言うんです。自慢げに言うスラカに
 門番達の顔もほころんだ。

 「初めまして、キルカ」

 タイが片膝をついて目線をあわせ、目の前のメイトの頭を撫でてやる。
 キルカは気持ちよさそうに目を閉じ、ぐるぐると喉を鳴らした。

  「今日は、露店めぐりですか?」

 マジリタの露店数はどこの街よりも多い。その数は通りが露店で
 埋まるほど。大抵の旅人は、探しものをするならならまずマジリタ
 に立ち寄るだろう。

 「いえ、ちょっと北部の方で露店をしようと思って」

 手に持った荷物を指す。中にはハーブやアーク装備などの
 初心者用品が入っていた。

 「初心者支援ですか」
 「ええ、俺も初めは装備や薬なんかで苦労しましたから」
 「そういえば、ドラコアにやられて倒れてましたよねぇ」
 「うわ、まだ覚えてたんですか」
 
 恥ずかしいなぁ。苦笑するスラカに、門番達は笑った。

 「あ、もしよかったら、露店するついでに北部を見回ってきて
  もらえませんか?一応はいるんですけど、人数が追いつかなくて…」

 兵役とはいっても希望制。志願するものがいなければ、自然と兵の数も
 減ってくるというもの。少人数での統治ほど大変なものもないだろう。
 わかりました、引き受けます。ありがとうと手を振る門番達に会釈を返し
 スラカは北部へと続く門をくぐった。


 
 てことで新連載です。今回は(も?)ちょっとシリアスです。
 初め、のあの文章を見れば予想はできた方もいらっしゃるのでは?
 タイトルの由来はまんま『沈黙の魂』です。
 その名の通りの話になってくれるかどうかは微妙ですが(ぇ)
 そうなること祈って…。