青い空と白い雲

 
 「むー…」
 「アレク様?」
 「何にしようかなぁ…」
 「あの、アレク様ー?」
 「その辺のものなんて面白くないし」
 「えーっと…」

 時刻は午後3時。一般的にはおやつの時間。
 お茶とおやつを持ってアレクの部屋を訪ねたサフィルスは
 いくら呼びかけても全く返事を返してくれないアレクに
 困り果てていた。アレクの性格からして、サフィルスのことを
 無視しているわけではないだろう。ただ、気づかないのだ。
 目の前のことに夢中になりすぎて。

 「何描こうかなぁ」

 アレクの目の前にあるのは白いキャンパス。
 以前、ジルの部屋に遊びに行った時に貰ったらしく
 アレクの手には絵の具が出されたパレットとふでが握られていた。

 「あの、アレク様。お茶冷めちゃいますよー?」

 恐る恐るという感じで呼びかけてみると、今度は声が聞こえたのか
 サフィルスのほうに顔を向ける。やっと気づいたのだろうか。
 しかし椅子から下りることもせず、サフィルスの顔を見つめているだけ。
 まだ自分の世界にいるようだ。

 「あ、あの…」

 自分の顔を見つめたまま動かない主。いい加減気づいてよー、といいたそうな
 表情の参謀。

 「よし、これだっ!」

 そう言ってキャンパスに向き直ると、なにやら掻き込んでいくアレク。
 自分の顔に何かひらめくものがあったのだろうか?それはそれで嬉しいのだけど
 一体何にひらめいたのだろう…。アレクに気づかれないようにそっと後ろへ回り
 キャンパスを覗き込んでみた。そこに描かれてあったのは一面の青。
 それに、白い物体がいくつか描かれていた。

 「よし、できた!」

 青に染まったキャンパスを満足げに見てから、アレクはにっこりと笑う。
 
 「ねぇ、アレク様。これなんです?」

 アレクの肩越しにキャンパスとにらめっこ。見ても見てもやっぱりわからない。

 「何って、空と雲」

 当然だ、と言わんばかりに答えるアレク。それを聞いて納得した。
 なるほど、青いのが空で白いのが雲なのね。
 
 「サフィの目が空の色だったから」
 
 だから描きたくなったんだと言われて、サフィルスは少し驚いた。
 まさか自分の瞳を見て描いたものだとは思わなかったから。
 だから、絵をプレゼントされたときはもっと驚いた。
 自分が空を見ているのを、アレクが気づいているとは思っていなかったから。

 
 空を見つめる君の目は、綺麗な青。
 この絵の青は、君の目から貰った青色。



 もう笑うしかないなぁ…。誰かどうにかして下さい。この文章能力の無さ(泣)
 青い空と白い雲、ってことで、ただそれを出すのは嫌だったんですよ。
 なんとかしてひねりたかったんです。で、ひねった結果がこれですか?自分。
 精進したいと思います…。話の中にテーマが見えるような話を書きたいよ…。
 自己満足のブツにそれを求めるのは、贅沢なんですかね…?