四、

 「そうですかぁ、初心者さんなんですね」
 「はい、はりきって出て行ったはいいけどやられちゃって…。
  本当に助かりました。」
 「初めは誰でもそうですよ」

 あの後門番たちが様子を見に来たときには、スラカは完全に回復していた。
 歩き回るスラカを心配そうに見ていた2人だったが、回復するのは早いんです
 と言われると、ほっとしたように息をはいた。それから2人の持ち場に戻りLV上げ講座を
 受けているというわけである。

 「敵を倒すと、コアというものが落ちてくるんです」

 説明をしつつ、自分の荷物の中から灰色の小さいものを取り出した。

 「これがコア…」
 「ええ。このコアは今休眠状態になっていますので、使いたい時は
  トレーナーに言って回復してもらってくださいね」

 そこまで言うと、そのコアをスラカの手の平にのせてくれた。

 「私からのプレゼントです。頑張ってくださいね」
 「あ、後これもどうぞ」

 もう一人の門番が、麻の袋をくれた。中を見ると、金貨がつまっている。

 「いいんですか…?」
 倒れているところを助けてもらった。LV上げに関することもいろいろと
 教えてもらったし、コアももらった。その上に、お金までもらってもいいのだろうか…。
 困ったように麻袋と門番の顔を見ていると、もう一人の門番が苦笑しながら教えてくれた。

 「それは、街の方から支給されているものなんです。初心者さん全員に
  お渡ししているんですよ」
 「あ、そうだったんですか…」
 「皆さん勘違いされますから。頑張ってくださいね」
  「はい、ありがとうございました」

 笑顔で手を振る門番に手を振り返しながら、その場を離れた。
 
 

 この門番の名前は、テスとタイ。
 これ以後、マジリタに戻ったときには2人に会いに行くスラカの姿がある。




 四です。実は書いた本人、四が一番好きだったりします。
 今までは、ほぼスラカ君の独り言状態だったので…会話があるっていいですねぇ(笑)
 人数が多すぎると会話も書きにくいのですが、このくらいだとまだ大丈夫ですね。
 会話人数は、多すぎず少なすぎずがいいですね。

 

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